少年と廃線

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昼下がり、線路っ傍にある自宅の坂を上がり切り玄関に差し掛かる所でおばあ
ちゃまに付き添われた小学校中学年くらいの少年に声を掛けられました。

「ここら辺で廃線になった支線の場所知りませんか?」

何のことだかさっぱり分からなかったけれど、話を聞くとどうやら僕の自宅から左程
遠くはない模様。少し急いでいたのだけれども、おばあちゃまはきっと「孫の喜ぶ顔
が見たい」と思って付き添って来ているのだろうし、何より終業式を終えてすぐ日野
から来ているその少年の真っ直ぐなまなざしを見ていたら僕の用事は「遅くなっても
出来る事だから」と思い一緒に支線探しの旅へ。
とりあえず自宅前の近隣住民が使用しているポイントで線路を渡ると、「こんなとこ渡
るの初めてっ!いいのかな?」とか楽しそうな様子が何とも微笑ましく、改めて「支
線、見つかるといいな」と。

自宅から五分も歩いていないのに、初めて見る風景に如何に自分が近所の事を知
らないかなどと思いつつ歩いているうちに、なんとなく支線のニオイがしてきました。
細い小川に沿って山道を歩き枯葉に埋もれた廃線が見えてきた時の少年の表情。

勿論、少年だからあのキラキラした表情は可愛らしいわけで、僕がキラキラしても可
愛くはないだろうけれど、あんな風に生き生きといつまでも好きなものを追求してい
ければどんなにか素晴らしい事だろうと思った、そんな少し晴れ間が差した午後でし
た。

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